夏の暑い日になまけものがひるねをしておりますと、蚤と蚊が代る代るやって来て刺したり食いついたりしました。なまけ者は怒りだして、
「折角ひとが寝ているのに何だっていたずらをするのだ」
と叱りつけました。
蚤と蚊とは声をそろえて答えました。
「私たちはあなたのように寝ころんでいるなまけものがすきなのです。私たちに好かれないようになりたいならば、起き上ってセッセとお働きなさい」
のみとか
夢野 久作、土原 耕作
夏の暑い日になまけものがひるねをしておりますと、蚤と蚊が代る代るやって来て刺したり食いついたりしました。なまけ者は怒りだして、
「折角ひとが寝ているのに何だっていたずらをするのだ」
と叱りつけました。
蚤と蚊とは声をそろえて答えました。
「私たちはあなたのように寝ころんでいるなまけものがすきなのです。私たちに好かれないようになりたいならば、起き上ってセッセとお働きなさい」
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c夢野 久作、土原 耕作「蚤と蚊」(新字新仮名)、底本『夢野久作全集7』三一書房、1971年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 046731_000096, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079