ひらめが海を泳いでいますと、鷹が飛んで来て掴もうとしましたが、水が深いので掴めません。しかたなしに知恵を出してひらめにこう言いました。
「平目さん。もっとこちらの浅い処に来て御覧。お前の好きな餌が沢山あるよ」
ひらめは笑ってこう返事をしました。
「あなたはほんとに御親切ですね。序に私を食べないで下されば、もっと御親切だと思いますけどもねえ」
と言いながらズンズン深い方へ泳いで行きました。
たかとひらめ
夢野 久作、香倶土 三鳥
ひらめが海を泳いでいますと、鷹が飛んで来て掴もうとしましたが、水が深いので掴めません。しかたなしに知恵を出してひらめにこう言いました。
「平目さん。もっとこちらの浅い処に来て御覧。お前の好きな餌が沢山あるよ」
ひらめは笑ってこう返事をしました。
「あなたはほんとに御親切ですね。序に私を食べないで下されば、もっと御親切だと思いますけどもねえ」
と言いながらズンズン深い方へ泳いで行きました。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c夢野 久作、香倶土 三鳥「鷹とひらめ」(新字新仮名)、底本『夢野久作全集7』三一書房、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 046722_000096, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079