子供が鉛筆を削っているとあまり無茶に削るので何べんでもシンが折れました。
「このナイフがわるいのだ」
と子供は言ってナイフを磨いでコシコシ削りましたが、やっぱりポチポチと黒いシンが折れます。
「この鉛筆がわるいのだ」
と子供はカンシャクを起して鉛筆を折ってしまいました。
「もっといい鉛筆でなくちゃ駄目だ」
鉛筆は折られながら言いました。
「あなたの心をもっといいのにとりかえなくちゃ、いくらいい鉛筆を買ってもだめです」
えんぴつのシン
夢野 久作、香倶土 三鳥
子供が鉛筆を削っているとあまり無茶に削るので何べんでもシンが折れました。
「このナイフがわるいのだ」
と子供は言ってナイフを磨いでコシコシ削りましたが、やっぱりポチポチと黒いシンが折れます。
「この鉛筆がわるいのだ」
と子供はカンシャクを起して鉛筆を折ってしまいました。
「もっといい鉛筆でなくちゃ駄目だ」
鉛筆は折られながら言いました。
「あなたの心をもっといいのにとりかえなくちゃ、いくらいい鉛筆を買ってもだめです」
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c夢野 久作、香倶土 三鳥「鉛筆のシン」(新字新仮名)、底本『夢野久作全集7』三一書房、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 046719_000096, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079