俺に取って金は空気と同じものだ、何が税金だと直木が笑った。
半年の生命を本屋へ質に置いて、本屋に葬式を出させた直木。
逆王に這入った直木は逆に利く桂馬に頭を遣られて死んだ。
前後から外れる直木の褌を当にしていた奴が奪い合った。
ダメになった頭で直木が碁を打って、負けて遣った奴に葬式をさせた。
死ぬまでは死なないと書いた稿料を一文も取らずに直木は死んだ。
ふるいにっきのなかから
夢野 久作
俺に取って金は空気と同じものだ、何が税金だと直木が笑った。
半年の生命を本屋へ質に置いて、本屋に葬式を出させた直木。
逆王に這入った直木は逆に利く桂馬に頭を遣られて死んだ。
前後から外れる直木の褌を当にしていた奴が奪い合った。
ダメになった頭で直木が碁を打って、負けて遣った奴に葬式をさせた。
死ぬまでは死なないと書いた稿料を一文も取らずに直木は死んだ。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c夢野 久作「古い日記の中から」(新字新仮名)、底本『夢野久作全集7』三一書房、1970年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 046703_000096, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079