Soranoha

八ガ岳大門沢

やつがだけだいもんさわ

松濤 明

松濤明 単独

昭和十六年八月十一日 曇時々雨

清里(七・四〇)―大門沢本流(一一・〇〇)―バットレス下(一三・二〇)―リッジ(一三・五〇~一四・〇〇)―赤岳北峰(一四・二五~一四・三〇)―清里(一六・三五)

甲府で駅弁を買いそこね、小淵沢のチャチなチラシで朝食をしたため、初めから終りまで顎を出した一日。大門沢下部では複雑な地形に手痛くほんろうされる。両俣とも被った滝に入口を扼やくされた顕著な二俣を右に入り、烏帽子状ピークのガリーを登ってピーク背後のリッジへ出た後、リッジをバットレス下へと辿る。

腹がへって目が廻りそうなので、赤岳へ最短コースによって登るべく、バットレス正面やや右寄りのチムニーに入ったところが、不精の天罰てき面、とたんに雨をくい、チムニー上部で苦心した。リッジは這松で、主に左側を登って北峰に達す。

底本 / Source edition

底本:「新編 風雪のビヴァーク」山と溪谷社
2000(平成12)年3月20日初版第1刷
※表題は底本では、「八ガ岳大門沢[1941.8]」となっています。
入力:川山隆
校正:岡山勝美
2014年12月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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リリース / Release
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TEI
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プレーンテキスト / Plain text
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書誌 / Bibliography
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松濤 明「八ガ岳大門沢」(新字新仮名)、底本『新編 風雪のビヴァーク』山と溪谷社、2000年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 045390_000307, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079

引用のしかた / How to cite