島で、<ruby><rb>或</rb><rt>ある</rt></ruby>あさ、

鯨がとれた。

どこの<ruby><rb>家</rb><rt>うち</rt></ruby>でも、

鯨を食べた。

<ruby><rb>鬚</rb><rt>ひげ</rt></ruby>は、<ruby><rb>呻</rb><rt>うな</rt></ruby>りに、

売られていつた。

りらら、<ruby><rb>鯨油</rb><rt>あぶら</rt></ruby>は、

ランプで燃えた。

鯨の話が、

どこでもされた。

島は、小さな、

まづしい村だ。

（<ruby><rb>註</rb><rt>ちゅう</rt></ruby>。鯨の鬚は、<ruby><rb>凧</rb><rt>たこ</rt></ruby>の呻りに用ゐられます。）