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        <title type="main" xml:lang="ja">赤ずきんちゃん</title>
        <title type="reading" xml:lang="ja-Hira">あかずきんちゃん</title>
        <title type="original">ROTKAPPCHEN</title>
        <author><persName xml:lang="ja"><surname>グリム</surname><forename>ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール</forename><idno type="aozora-person-id">001091</idno></persName><persName xml:lang="ja-Hira"><surname>グリム</surname><forename>ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール</forename></persName><persName xml:lang="ja-Latn"><surname>Grimm</surname><forename>Jacob Ludwig Carl</forename></persName></author>
        <author><persName xml:lang="ja"><surname>グリム</surname><forename>ヴィルヘルム・カール</forename><idno type="aozora-person-id">001092</idno></persName><persName xml:lang="ja-Hira"><surname>グリム</surname><forename>ヴィルヘルム・カール</forename></persName><persName xml:lang="ja-Latn"><surname>Grimm</surname><forename>Wilhelm Carl</forename></persName></author>
        <respStmt><resp>翻訳者</resp><persName xml:lang="ja"><surname>楠山</surname><forename>正雄</forename><idno type="aozora-person-id">000329</idno></persName><persName xml:lang="ja-Hira"><surname>くすやま</surname><forename>まさお</forename></persName><persName xml:lang="ja-Latn"><surname>Kusuyama</surname><forename>Masao</forename></persName></respStmt>
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        <bibl><title>世界おとぎ文庫（グリム篇）森の小人</title><publisher>小峰書店</publisher><date>1949（昭和24）年2月20日</date><note type="input-edition">1949（昭和24）年12月30日4版</note></bibl>
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      <classDecl><taxonomy xml:id="ndc"><bibl>日本十進分類法 (Nippon Decimal Classification), as recorded by <title>青空文庫</title> in its 分類番号 field.</bibl></taxonomy><taxonomy xml:id="aozora-orthography"><bibl><title>青空文庫</title> 文字遣い種別: the orthographic style Aozora Bunko records for the transcription.</bibl></taxonomy></classDecl>
      <refsDecl xml:id="source-spans"><p>A note of type source-span has an xml:id of the form source-START-END, giving the extent in UTF-8 bytes of the decoded primary text identified in sourceDesc. <ptr target="https://w3id.org/soranoha/ns/tei"/></p></refsDecl>
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      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-629-1534">むかし、むかし、あるところに、ちいちゃいかわいい女の子がありました。それはたれだって、ちょいとみただけで、かわいくなるこの子でしたが、でも、たれよりもかれよりも、この子のおばあさんほど、この子をかわいがっているものはなく、この子をみると、なにもかもやりたくてやりたくて、いったいなにをやっていいのかわからなくなるくらいでした。それで、あるとき、おばあさんは、赤いびろうどで、この子にずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子によく似あうので、もうほかのものは、なんにもかぶらないと、きめてしまいました。そこで、この子は、赤ずきんちゃん、赤ずきんちゃん、とばかり、よばれるようになりました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-1534-1611">ある日、おかあさんは、この子をよんでいいました。</seg></p>
      <p>「さあ、ちょいといらっしゃい、赤ずきんちゃん、ここにお<ruby type="furigana" rend="right" source="#source-1692-1710"><rb>菓子</rb><rt>かし</rt></ruby><seg source="#source-1710-1737">がひとつと、ぶどう</seg><ruby type="furigana" rend="right" source="#source-1737-1752"><rb>酒</rb><rt>しゅ</rt></ruby>がひとびんあります。これを赤ずきんちゃん、おばあさんのところへもっていらっしゃい。おばあさんは、ご病気でよわっていらっしゃるが、これをあげると、きっと元気になるでしょう。それでは、あつくならないうちにおでかけなさい。それから、そとへでたら気をつけて、おぎょうぎよくしてね、やたらに、しらない横道へかけだしていったりなんかしないのですよ。そんなことをして、ころびでもしたら、せっかくのびんはこわれるし、おばあさんにあげるものがなくなるからね。それから、おばあさんのおへやにはいったら、まず、おはようございます、をいうのをわすれずにね。はいると、いきなり、おへやの中をきょろきょろみまわしたりなんかしないでね。」</p>
      <p>「そんなこと、あたし、ちゃんとよくしてみせてよ。」と、赤ずきんちゃんは、おかあさんにそういって、指きりしました。</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-2836-3240">ところで、おばあさんのおうちは、村から半道はなれた森の中にありました。赤ずきんちゃんが森にはいりかけますと、おおかみがひょっこりでてきました。でも、赤ずきんちゃんは、おおかみって、どんなわるいけだものだかしりませんでしたから、べつだん、こわいともおもいませんでした。</seg></p>
      <p>「赤ずきんちゃん、こんちは。」と、おおかみはいいました。</p>
      <p>「ありがとう、おおかみちゃん。」</p>
      <p>「たいそうはやくから、どちらへ。」</p>
      <p>「おばあちゃんのところへいくのよ。」</p>
      <p>「前かけの下にもってるものは、なあに。」</p>
      <p>「お菓子に、ぶどう酒。おばあさん、ご病気でよわっているでしょう。それでおみまいにもってってあげようとおもって、きのう、おうちで焼いたの。これでおばあさん、しっかりなさるわ。」</p>
      <p>「おばあさんのおうちはどこさ、赤ずきんちゃん。」</p>
      <p>「これからまた、八、九<ruby type="furigana" rend="right" source="#source-3917-3938"><rb>町</rb><rt>ちょう</rt></ruby><seg source="#source-3938-4097">もあるいてね、森のおくのおくで、大きなかしの木が、三ぼん立っている下のおうちよ。おうちのまわりに、くるみの</seg><ruby type="furigana" rend="right" source="#source-4097-4121"><rb>生垣</rb><rt>いけがき</rt></ruby>があるから、すぐわかるわ。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-4165-4224">赤ずきんちゃんは、こうおしえました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-4224-4289">おおかみは、心の中でかんがえていました。</seg></p>
      <p>「わかい、やわらかそうな小むすめ、こいつはあぶらがのって、おいしそうだ。ばあさまよりは、ずっとあじがよかろう。ついでにりょうほういっしょに、ぱっくりやるくふうがかんじんだ。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-4552-4704">そこで、おおかみは、しばらくのあいだ、赤ずきんちゃんとならんであるきながら、道みちこう話しました。</seg></p>
      <p>「赤ずきんちゃん、まあ、そこらじゅうきれいに咲いている花をごらん。なんだって、ほうぼうながめてみないんだろうな。ほら、小鳥が、あんなにいい声で歌をうたっているのに、赤ずきんちゃん、なんだかまるできいていないようだなあ。学校へいくときのように、むやみと、せっせこ、せっせこと、あるいているんだなあ。そとは、森の中がこんなにあかるくてたのしいのに。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-5225-5593">そういわれて、赤ずきんちゃんは、あおむいてみました。すると、お日さまの光が、木と木の茂った中からもれて、これが、そこでもここでも、たのしそうにダンスしていて、どの木にもどの木にも、きれいな花がいっぱい咲いているのが、目にはいりました。そこで、</seg></p>
      <p>「あたし、おばあさまに、げんきでいきおいのいいお花をさがして、花たばをこしらえて、もってってあげようや。するとおばあさん、きっとおよろこびになるわ。まだ朝はやいから、だいじょうぶ、時間までに行かれるでしょう。」</p>
      <p><seg source="#source-5910-6326">と、こうおもって、ついと横道から、その中へかけだしてはいって、森の中のいろいろの花をさがしました。そうして、ひとつ花をつむと、その先に、もっときれいなのがあるんじゃないか、という気がして、そのほうへかけて行きました。そうして、だんだん森のおくへおくへと、さそわれて行きました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-6326-6547">ところが、このあいだに、すきをねらって、おおかみは、すたこらすたこら、おばあさんのおうちへかけていきました。そして、とんとん、戸をたたきました。</seg></p>
      <p>「おや、どなた。」</p>
      <p>「赤ずきんちゃんよ。お菓子とぶどう酒を、おみまいにもって来たのよ。あけてちょうだい。」</p>
      <p>「とっ手をおしておくれ。おばあさんはご病気でよわっていて、おきられないのだよ。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-6829-7243">おおかみは、とっ手をおしました。戸は、ぼんとあきました。おおかみはすぐとはいっていって、なんにもいわずに、いきなりおばあさんのねているところへ行って、あんぐりひと口に、おばあさんをのみこみました。それから、おばあさんの着物を着て、おばあさんのずきんをかぶって、おばあさんのお</seg><ruby type="furigana" rend="right" source="#source-7243-7258"><rb>床</rb><rt>とこ</rt></ruby><seg source="#source-7258-7328">にごろりと寝て、カーテンを引いておきました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-7328-7885">赤ずきんちゃんは、でも、お花をあつめるのにむちゅうで、森じゅうかけまわっていました。そうして、もうあつめるだけあつめて、このうえ持ちきれないほどになったとき、おばあさんのことをおもいだして、またいつもの道にもどりました。おばあさんのうちへ来てみると、戸があいたままになっているので、へんだとおもいながら、中へはいりました。すると、なにかが、いつもとかわってみえたので、</seg></p>
      <p>「へんだわ、どうしたのでしょう。きょうはなんだか胸がわくわくして、きみのわるいこと。おばあさんのところへくれば、いつだってたのしいのに。」と、おもいながら、大きな声で、</p>
      <p>「おはようございます。」</p>
      <p><seg source="#source-8177-8260">と、よんでみました。でも、おへんじはありませんでした。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-8260-8278">そこで、お</seg><ruby type="furigana" rend="right" source="#source-8278-8293"><rb>床</rb><rt>とこ</rt></ruby><seg source="#source-8293-8544">のところへいって、カーテンをあけてみました。すると、そこにおばあさんは、横になっていましたが、ずきんをすっぽり目までさげて、なんだかいつもとようすがかわっていました。</seg></p>
      <p>「あら、おばあさん、なんて大きなお耳。」</p>
      <p>「おまえの声が、よくきこえるようにさ。」</p>
      <p>「あら、おばあさん、なんて大きなおめめ。」</p>
      <p>「おまえのいるのが、よくみえるようにさ。」</p>
      <p>「あら、おばあさん、なんて大きなおてて。」</p>
      <p>「おまえが、よくつかめるようにさ。」</p>
      <p>「でも、おばあさん、まあ、なんてきみのわるい大きなお口だこと。」</p>
      <p>「おまえをたべるにいいようにさ。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-9070-9278">こういうがはやいか、おおかみは、いきなり寝床からとびだして、かわいそうに、赤ずきんちゃんを、ただひと口に、あんぐりやってしまいました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-9278-9517">これで、したたかおなかをふくらませると、おおかみはまた寝床にもぐって、ながながと寝そべって休みました。やがて、ものすごい音を立てて、いびきをかきだしました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-9517-9645">ちょうどそのとき、かりうどがおもてを通りかかって、はてなと思って立ちどまりました。</seg></p>
      <p>「ばあさんが、すごいいびきで寝ているが、へんだな。どれ、なにかかわったことがあるんじゃないか、みてやらずばなるまい。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-9824-9958">そこで、中へはいってみて、寝床のところへ行ってみますと、おおかみが横になっていました。</seg></p>
      <p>「ちきしょう、このばちあたりめが、とうとうみつけたぞ。ながいあいだ、きさまをさがしていたんだ。」</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-10104-10598">そこで、かりうどは、すぐと鉄砲をむけました。とたんに、ふと、ことによると、おおかみのやつ、おばあさんをそのままのんでいるのかもしれないし、まだなかで、たすかっているのかもしれないぞ、とおもいつきました。そこで鉄砲をうつことはやめにして、そのかわり、はさみをだして、ねむっているおおかみのおなかを、じょきじょき切りはじめました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-10598-10756">ふたはさみいれると、もう赤いずきんがちらと見えました。もうふたはさみいれると、女の子がとびだしてきて、</seg></p>
      <p>「まあ、あたし、どんなにびっくりしたでしょう。おおかみのおなかの中の、それはくらいったらなかったわ。」と、いいました。</p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-10935-11393">やがて、おばあさんも、まだ生きていて、はいだしてきました。もう、よわって虫の息になっていました。赤ずきんちゃんは、でも、さっそく、大きなごろた石を、えんやらえんやらはこんできて、おおかみのおなかのなかにいっぱい、つめました。やがて目がさめて、おおかみがとびだそうとしますと、石のおもみでへたばりました。</seg></p>
      <p style="text-indent: 1em" rend="first-line-indent(1)"><seg source="#source-11393-11972">さあ、三人は大よろこびです。かりうどは、おおかみの毛皮をはいで、うちへもってかえりました。おばあさんは、赤ずきんちゃんのもってきたお菓子をたべて、ぶどう酒をのみました。それで、すっかりげんきをとりかえしました。でも、赤ずきんちゃんは、（もうもう、二どと、森の中で横道にはいって、かけまわったりなんかやめましょう。おかあさんがいけないと、おっしゃったのですものね。）と、かんがえました。</seg></p>
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        <note type="source-attribution" source="#source-11980-12165"><seg type="source-line">底本：「世界おとぎ文庫（グリム篇）森の小人」小峰書店</seg><lb/><seg type="source-line" style="padding-inline-start: 3em">1949（昭和24）年2月20日初版発行</seg><lb/><seg type="source-line" style="padding-inline-start: 3em">1949（昭和24）年12月30日4版発行</seg></note>
        <note type="transcriber-note" source="#source-12165-12813"><seg type="source-line">※原題の「ROTKÄPPCHEN」は、ファイル冒頭ではアクセント符号を略し、「ROTKAPPCHEN」としました。</seg><lb/><seg type="source-line">※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。</seg><lb/><seg type="source-line">入力：大久保ゆう</seg><lb/><seg type="source-line">校正：浅原庸子</seg><lb/><seg type="source-line">2004年4月29日作成</seg><lb/><seg type="source-line">2005年11月19日修正</seg><lb/><seg type="source-line">青空文庫作成ファイル：</seg><lb/><seg type="source-line">このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫（http://www.aozora.gr.jp/）で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。</seg></note>
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