ひとの世の男女の
行ひを捨てて五年
夫ならぬ夫と共棲み
今年また庭のさざんくわ
夫ならぬ夫とならびて
眺め居る庭のさざんくわ
夫ならぬ夫にしあれど
ひとたびは夫にてありし
つまなりしその昔より
つまならぬ今の語らひ
浄くしてあはれはふかし
今年また庭のさざんくわ
ならび居て二人はながむる。
さざんか
岡本 かの子
ひとの世の男女の
行ひを捨てて五年
夫ならぬ夫と共棲み
今年また庭のさざんくわ
夫ならぬ夫とならびて
眺め居る庭のさざんくわ
夫ならぬ夫にしあれど
ひとたびは夫にてありし
つまなりしその昔より
つまならぬ今の語らひ
浄くしてあはれはふかし
今年また庭のさざんくわ
ならび居て二人はながむる。
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c岡本 かの子「山茶花」(新字新仮名)、底本『愛よ、愛』パサージュ叢書、メタローグ、1999年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 004543_000076, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079