Soranoha

ソヴェト同盟の音楽サークルの話

ソヴェトどうめいのおんがくサークルのはなし

宮本 百合子

この頃、日本でもあっちこっちで文化サークルや音楽サークルが出来てプロレタリヤ文化の高まりがわかり、実に愉快です。ソヴェト同盟は御承知の通り労働者の勝利した国だからそう云う音楽サークルなどでものびのびと至極便利にやっている。労働者クラブには大抵のところに音楽サークルがある。室を一つちゃんと持って、ドアをあけて入って見ると、譜面台がいくつも壁ぎわにたっている。太鼓、笛、トロンボーン、ギター、バラライカ、などが片づけてある。音楽サークルは五日に一遍とか日をきめて音楽学校からの指導者をまねき、なかなか熱心に勉強します。春になって寒いモスクワの公園の樹々が緑になると、あっちこっちの音楽堂で、盛んに音楽がやられる。どんな連中が演奏しているかと見ると、鳥打帽をかぶったままの労働者音楽団です。

メーデーのデモには、各工場が自分たちの音楽団を先頭に立て、勇ましい行進曲とともにやって来る。見事な、胸のすく思いです。音楽サークルの種類は合唱、ハーモニカ、ギター、ブラスバンドなどが多い。管絃楽は少ない。ヴァイオリン、セロと云う様なごく長い習練のいるものはどうしてもサークルにはより少くとり入れられるわけです。

ピオニェールはピオニェールで又自分たちの楽隊を持っている。われわれも一日も早く自分たちの音楽によってメーデーのデモをやりたいものだ。〔一九三二年三月〕

底本 / Source edition

底本:「宮本百合子全集 第九巻」新日本出版社
1980(昭和55)年9月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「音楽新聞」
1932(昭和7)年3月28日号外
入力:柴田卓治
校正:米田進
2002年10月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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TEI
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プレーンテキスト / Plain text
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書誌 / Bibliography
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宮本 百合子「ソヴェト同盟の音楽サークルの話」(新字新仮名)、底本『宮本百合子全集 第九巻』新日本出版社、1980年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 002753_000311, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079

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