咲きし華はしぼみて、 わが世は暗がりわたり。 くろめる渦巻きのなか 淋しき、うめきをやする。 そは、冷たき砂のうへに裂けて、 風に泣く片葉□貝にも似たり。 絶えせぬ浪の響き、肉にゆさぶれば、 小さき魂は、音なく伏してあるなり。 「なほ生きてあるのみ」 いつかまた、われは哀ふ。 と思へば、あたりのものみな、 怖ろしく眼にとまる。 かつて、命をすてゝ去る人あるを聞けど あまりにかへる日の遠し…………。 われは今、かのひからびし落葉の如く 地の上を、あてなく転げて、 冷やかに尚ほ生きてあるのみ。