わが思ふ<ruby><rb>女</rb><rt>ひと</rt></ruby>ありやなしや。

まよわしきかな。

夕暮の窓にもたれて、<ruby><rb>蒼白</rb><rt>あをじろ</rt></ruby>き息ふく

われも、またありやなしや。

あな、うたがわし。

蚊のなく声を、君がかなしき唄とや

きかむ。

<ruby><rb>柔風</rb><rt>なよかぜ</rt></ruby>の木の葉にすがる、たわふれを、

君が鬢のほつれとやきかむ。

淋しき夕べの鐘もきこゆ。

森のかなた、君住む<ruby><rb>墓</rb><rt>ほと</rt></ruby>の頭りにや

あらむ。

今なり、われは独りさ迷ひゆかむ！

<ruby><rb>夕</rb><rt>ゆふ</rt></ruby>べの鐘をしたひて

その音に耳を<ruby><rb>静</rb><rt>しづ</rt></ruby>めて。