なつかしい丘の上、
棕呂の若葉のそよぎに、小鳥の唄。
傾むきつくす夕月も、
見る〱最後の接吻を残して、
深い々々、海のかなたへ
去らうとする、
なつかしい丘の上に、Kの君を持つ心よ!
夢を語るやうな春の風に
顫へる。
葉ずれの音に眼が狂へば、
西へ東に、足が動きだす………………
夫れと思ふ俤が、更に眼にとまらぬ。
胸を抱いて、若かい悲しみに沈む。
林の間に、夜の色が浮び出した。――
黒ろい怖ろしい影は
私の魂を厭し始める。
もう是れが私のKの君に対する最後だ!
さいごのおか
漢那 浪笛
なつかしい丘の上、
棕呂の若葉のそよぎに、小鳥の唄。
傾むきつくす夕月も、
見る〱最後の接吻を残して、
深い々々、海のかなたへ
去らうとする、
なつかしい丘の上に、Kの君を持つ心よ!
夢を語るやうな春の風に
顫へる。
葉ずれの音に眼が狂へば、
西へ東に、足が動きだす………………
夫れと思ふ俤が、更に眼にとまらぬ。
胸を抱いて、若かい悲しみに沈む。
林の間に、夜の色が浮び出した。――
黒ろい怖ろしい影は
私の魂を厭し始める。
もう是れが私のKの君に対する最後だ!
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913b24012e1626b47bebf5a14fd31773728229efdb088f1ceb934717c1ac800c漢那 浪笛「最後の丘」(新字旧仮名)、底本『沖縄文学全集 第1巻 詩Ⅰ』国書刊行会、1991年。Soranoha Aozora Bunko TEI Corpus, 001885_001666, release 913b24012e16. https://doi.org/10.5281/zenodo.22718079