別れの馬車の鈴の音が
つらい心をまたせめる
日暮峠でみかへれば
山が霞んで遠くなる
寒い夜風に町の灯が
悲しく遠くゆれてゐる
馬車の窓から故山見れば
空にほんのりおぼろ月
（四・十二）