せるろいどのやうにふるへる
むかしむかしのお姫さまよ
童話の向ふから童話のやうに掌をあげて
黒びらうどの青い喪服がよく似合ふ
あれ　あれ　木馬もお通りなさる
がた　がた　首をゆさぶり
はげ落ちた灰色の眼で何を見つめるのやら
みんなみんな蒼白いせるろいどの向ふよ
みんなみんな幻燈の様に通りすぎた昔よ
黒びらうどのお姫さまよ
はげ落ちて歩けない木馬よ
幻燈の後に残されたわたしよ
一枚の絵のないふいるむよ