〔作者の言分〕
（「淡雪」の作者）
牧野信一
　海野武二氏の批評に就いては、その観点の差異が全く対蹠的なものであり、不断抗議を述べるとならば寧ろ簡略に申しがたく、この場合は残念ながら黙つて通り過ぎるより他方法も見出せないのであります。これは何うもどちらにとつても仕方のないことで、楽観など適ふ筈のものではなく、主観的作家態度の益々深く陥るべき憂鬱であります。