しだれ柳はおいぼれてゐて
井戸のそこには　くつきりと
碧空のかけらが落ちてゐて　閏四月
おねえさま
ことしも　郭公が鳴いてゐますね
つつましいあなたは　答へないで
夕顔のやうにほほゑみながら
つるべをあふれる　碧空をくみあげる
つるべをあふれる　伝説をくみあげる
径は麦畑のなかを折れて　庭さきに
杏も咲いてゐる　あれはぼくらの家
まどろみながら　牛が雲を反芻してゐる
ほら　水甕にも　おねえさま
碧空があふれてゐる