黄ばんだ一本の棕梠、
痛ましく裂けた葉のそよぎ。
冷たい秋の空気にふれて、
かなしい秋、調べをきざむ。
淋しい心の華が開き、
灰色の眼をあげて
なつかしい譜の鳴る方へ、
絶えず懐ひが、
躍り出す。